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2020.08.19
オフショア開発知識

ベトナムでのオフショア開発のメリットとは?人気の背景と注意点も紹介

IT開発などのプロジェクトを進行するなかで、「技術力のある人材が足りない」「良い外注先が見つからない」というケースもあるでしょう。そのような場合には、オフショア開発を利用するのも一つの方法です。

オフショア開発の依頼先としては、中国やインド、フィリピンなど、さまざまな選択肢がありますが、近年は特に、ベトナムの注目度が高まっています。

そこで今回は、オフショア開発の概要から、ベトナム人気の理由、ベトナムをする際のコツや注意点まで紹介します。

オフショア開発とは?

オフショア開発とは、海外の企業にIT系の開発業務などを委託することです。

各種システムやWebサービス、スマートフォン用アプリなどを開発するためには、多くの人員が必要です。しかし、優秀なエンジニアを国内で集めたくても、日本のIT人材は慢性的に不足していて難しいのが現状です。

そこで、業務の一部または全部を国外にアウトソースすることでIT人材の不足分を補う、オフショア開発の手法に注目が集まっているのです。

また、海外のエンジニアは賃金が比較的安い傾向にあるため、開発コストを削減する方法としても大変有効です。

ベトナムでのオフショア開発の5つのメリットとは?

システム開発・運用の依頼先として候補に挙げられる国はいくつかありますが、冒頭でも触れた通り、近年はベトナムの人気が高まっています。ここでは、ベトナムにオフショア開発を依頼する5つのメリットを紹介します。

IT人材が豊富で優秀なエンジニアを確保しやすい

ベトナムは若年層の人口割合が大きく、若手エンジニアが豊富な新興IT大国です。

政府は、国をあげてIT人材の育成に取り組んでおり、ベトナムの大学では、IT関連の知識習得はもちろん、実際のプログラム作成の経験も積むことができます。こうして、大学卒業後すぐに即戦力になるIT人材を、数多く輩出することができるのです。

コストが比較的安い

ベトナムで働くエンジニアの賃金水準は、新卒で月300ドル~、2~3年目の若手で月600~1200ドルと、他の国と比較してもリーズナブルです。

ベトナムのオフショア開発の単価と他国との比較に関しては、以下の記事でくわしく紹介しています。

『ベトナムオフショア開発、単価はいくら?他国との比較とベトナムを選ぶべき理由』

さらに、少し高めの40万円を出せば、ブロックチェーン関連などの高度な業務にも対応できる優秀なエンジニアを雇うこともできます。日本国内で同水準のエンジニアを雇おうとすると人件費が膨れ上がり負荷が大きくなりますが、ベトナムであれば低コストでハイレベルな人材を確保しやすいでしょう。

日本にとって地理的な利点が大きい

日本とベトナムは距離が近いため、飛行機での行き来も比較的しやすいです。フライト時間は東京~ハノイ間で約です。万一の場合の移動が短時間で済むのは、大きなメリットの一つといえるでしょう。

また、日本との時差も2時間程度と少なめです。そのため、現地のエンジニアとリアルタイムでやり取りしやすく、タイムロスを最小限で抑えられます。

祝日が少なく、稼働日数が多い

日本と比べてベトナムは祝日が少なく、年間を通した稼働日数が多いこともメリットとして挙げられます。さらに、平日休みや3連休もあまりないため、オフショア開発を依頼するにあたってスケジュールの調整もしやすいでしょう。

ベトナム人の長期休暇としては、テト(旧正月)があります。このテトは、旧暦にあわせて毎年時期が変化するので、その点には注意しておきましょう。

親日国でビジネスがしやすい

日本とベトナムは国家関係が良好であるため、ビジネスにおいても協力関係を結びやすい傾向にあります。ベトナム人のなかには日本に憧れを抱いている人も多く、日本と関わる仕事への就職や、日本への留学を希望する学生も多数います。

海外の企業とビジネスをするうえで、一番の懸念事項となるのが言語の問題です。しかし、ベトナムでは大学で日本語のカリキュラムが組み込まれているケースも多く、日本語を話せる若者も少なくありません。したがって、コミュニケーションの問題で苦労する可能性は、他国と比較すると少ないといえるでしょう。

また、ベトナム人の気質は日本人とやや近く、真面目で向上心が強く、勤勉な人が多いと言われています。このようなベトナムの国民性も、オフショア開発国としての人気につながっています。

ベトナムでオフショア開発をする際のコツと注意点

日本人がベトナム人と協力して上手に仕事を進めるためには、文化や価値観の違いを知ることが大切です。ベトナムでオフショア開発をするなら、以下のコツや注意点を覚えておきましょう。

品質に関する基準をあらかじめ共有しておく

まず、日本とベトナムでは、「品質」に対する意識に差があることを知っておきましょう。「メイドインジャパンの製品はクオリティが高い」といわれるように、日本の“品質”に対するこだわりには定評があります。日本人の基準はベトナム人よりも高い傾向にあるため、IT業界での制作物に関しても、完成品として判断する基準にズレが生じるケースがあるのです。

国が違えば、意識も違う、これは至極当然のことです。大切なのは、プロジェクトを始動する段階でベトナムのエンジニアと品質の基準についてしっかり話し合い、意識を統一しておくことです。前述のとおり、ベトナム人は向上心が強く、真面目で熱意のある人が多いため、基準を事前に共有しておけば、制作物の仕上がりに関するトラブルは避けられるはずです。

ミスコミュニケーションに十分注意する

ベトナムは親日国ということもあり、日本語学習者が非常に多いです。しかし、、日本語の微妙なニュアンスが伝わっていない可能性もあります。

母国語以外でやり取りをするとなると、誤解も生じやすくなるものです。こちらの意図を完全に理解してもらっていると安易に判断せず、密なコミュニケーションを心がけましょう。重要な項目に関しては、入念に確認を行なうことも大切です。

文化の違いにも配慮する

オフショア開発に関わらず、他国の人とビジネスをする際には、文化の違いに十分配慮することが重要です。「日本の常識が、世界の常識とは限らない」ということを、常に頭に入れておきましょう。

例えば、ベトナムには家族や仲間との時間をとても大切にする文化があります。なによりも仕事を優先しがちな日本人と、家族や仲間を最優先するベトナム人では、働き方や仕事に対する考え方が異なることもあるでしょう。

そのような場合にも、“日本流”に合わせることを強いるのは得策ではありません。それぞれがお互いの文化を理解して歩み寄り、両社にとって最も良い方法を模索することが大切です。

まとめ

ベトナムはIT人材が豊富で、技術力の高いエンジニアを確保しやすい環境にあります。また、中国やインドよりも低コストで優秀なエンジニアを雇うことができるため、オフショア開発の依頼先として特におすすめの人気国といえるでしょう。

ただし、ベトナム人の品質に対する意識や仕事への向き合い方は、当然ながら日本人のそれとは異なります。したがって、プロジェクトに取りかかる前に十分にコミュニケーションを取り、両者の意識を統一しておくことで、トラブルを未然に防ぐ努力をしましょう。

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