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2020.10.14
オフショア開発知識

【2020版】オフショア開発の最新動向!ブームの背景と市場の状況を解説

システム開発に携わるなかで、“オフショア開発”というキーワードを耳にしたことはないでしょうか。日本のIT企業が抱える問題を解決する手段として、近年海外拠点へのアウトソーシングがブームとなっています。

今回はオフショア開発ブームの背景や、委託先として人気のある国の最新動向をご紹介します。オフショア新興国・先進国の特徴を踏まえたうえで、自社にとって最も有益な委託先を検討してみてください。

オフショア開発とは?

オフショア開発とは、人件費の安い海外の企業で行なうシステム開発のことです。業務系システムの開発・保守をはじめ、Webサービスやスマートフォンアプリの開発、最先端技術の研究開発などを海外の優秀なエンジニアに委託し、プロジェクトの達成を目指します。

インドや中国などのオフショア先進国から始まり、近年はベトナム、フィリピン、ミャンマーなどのオフショア新興国も委託先として選ばれるようになりました。これらの新興国は総合的にコストパフォーマンスが高く、技術力のあるエンジニアを比較的安価で確保できることから、オフショア開発を検討する企業が増加しています。

近年のオフショア開発ブームの理由

まずは、日本でオフショア開発ブームが到来している理由を見ていきましょう。

日本国内のIT系人材の不足が深刻化しているから

経済産業省のIT業界は深刻な人材不足となっており、その解決策としてオフショア開発が選ばれている現状があります。

日本国内で募集をかけても、即戦力となる人材はなかなか集まりません。ポテンシャルを見込んで経験の少ない若者を雇ったとしても、一人前になるまで教育する余裕がないケースも多いでしょう。そして結果的に、1人のエンジニアに対する負荷が大きくなり、さらなる離職者が出てしまうという悪循環が続いているのです。

日本国内でシステム開発のためのリソースを十分に確保できないのであれば、海外のエンジニアの力を借りるほかありません。東南アジアでは、国がIT人材の育成を強力に後押ししていることもあり、技術力の高い若手エンジニアが多くいます。したがって、オフショア開発を利用すれば、国内で募集をかけるよりもスムーズに優秀なエンジニアを確保できるでしょう。

ビジネスのグローバル化が急激に進んでいるから

インターネット技術の発展により、海外に仕事を委託するハードルは年々下がってきています。Web会議システムやチャットツールを使えば、離れた場所でもコミュニケーションをとれるため、わざわざ現地に出張する必要性は低くなりました。

そして、従来は海外進出に多額の投資が必要でしたが、近年では大企業のみならず中小企業の海外進出も実現可能となっています。

地理的な問題をそれほど重要視しないのであれば、日本国内だけでプロジェクトを完結させることにこだわる必要はありません。コスト削減のため、「自社のエンジニアだけを頼るのではなく、可能な部分はオフショア開発で」というスタンスが徐々に浸透しつつあります。

最先端技術を駆使した開発が可能になってきたから

近年は、ベトナムやフィリピンなど東南アジア各国の台頭が著しく、AI(人工知能)やブロックチェーン技術など、最先端技術を駆使した開発も可能となってきました。これらの国は、新興IT大国として急成長を遂げており、日本や欧州など世界中から注目されています。

特にベトナムでは近年、AIを駆使した開発が非常に活発に行なわれており、およそ73%のテック企業がその技術を自社製品に取り入れているというデータもあります。AIエンジニアの需要の高まりや、他職種を大きく上回る高い給与水準は、今後も優秀な人材の輩出を後押しするでしょう。

出典:TopDev『2019 VIETNAM DEVELOPER REPORT』

さらに、少子高齢化により日本の労働人口が年々減少するなか、東南アジアは若年層の人口が増加傾向にあるため、有能な若手人材を確保しやすいです。日本国内よりも遥かに安い人件費で、高品質なシステム開発が可能ということで、今後のさらなる発展が期待できるでしょう。

2020年最新版】オフショア開発の最新動向【新興国編】

 

新興国の中で最も勢いのあるオフショア開発国といえば、ベトナム・フィリピン・ミャンマーの3国です。以下で、各国の最新動向をチェックしていきましょう。

【2020年の動向】ベトナム

オフショア新興国のなかでも、近年特に人気なのがベトナムです。ベトナムでは国を挙げてIT人材の輩出に取り組んでいるため、優秀なIT人材が多数存在します。

オフショア開発にかかる人件費も、エンジニア1人あたり月20万円~30万円と比較的リーズナブルです。人件費を抑えつつ高品質な開発を実現できるとあって、日本の企業にとっては非常に魅力的な国といえるでしょう。

ベトナム人の国民性は日本人とやや似ており、真面目で勤勉な人が多いとされています。また、ベトナムはスキル内容が給料に反映されやすい社会環境であることから、自身の能力を日々磨き、生産性向上に励むエンジニアが多いです。

さらに、英語や日本語の勉強にも熱心に取り組む人が多く、日本とベトナムのビジネスの架け橋となるような人材も増えています。ベトナムは親日国ということもあり、日本の文化になじみがある人も少なくありません。

ベトナムは、日本にとって最有力のビジネスパートナーともいえるでしょう。

『ベトナムでのオフショア開発のメリットとは?人気の背景と注意点も紹介』

【2020年の動向】フィリピン

フィリピンのオフショア開発のコストは、エンジニア1人あたり25万円~30万円です。人件費を安く抑えつつ、優秀なエンジニアを確保できるオフショア開発国として、ベトナムと同様人気があります。

特にフィリピン人は英語力が非常に高いため、英語でのコミュニケーションに困ることはあまりないでしょう。さらに日本からの距離も近く、英語を中心にやり取りしたいと考えている企業にはおすすめの国です。

ただし、日本人とは品質に対する意識や基準が異なる場合が多いため、プロジェクトの開始前にしっかりとすり合わせておく必要があります。また、フィリピン人は家族を非常に大切にする文化があるため、仕事よりも家族を優先する傾向にあることも覚えておきましょう。

【2020年の動向】ミャンマー

ミャンマーは人件費が非常に安く、エンジニアの1人あたりのコストも18万円~20万円と低価格ですが、オフショア開発の歴史は浅く、実績はそれほど多くありません。

とはいえ、その将来性を期待する声も多く、ベトナムやフィリピンに続いて、今後ミャンマーの市場が拡大することも考えられます。親日国ということもあり、日本の企業にとってもコンタクトの取りやすい相手といえるでしょう。

ただし、ミャンマーはインフラが不安定であることに注意が必要です。停電が頻発するなど、プロジェクトの進行に影響が出ることを想定して、スケジュールを組む必要があります。

2020年最新版】オフショア開発の最新動向【オフショア先進国編】

オフショア先進国の中国・インドも、いまだ根強い人気があります。ただし、IT人材が豊富で全体のレベルが高い分、人件費が年々高騰している状況です。

【2020年の動向】中国

中国は、古くからの安定したオフショア開発先として知られています。ただし、急激な経済成長や技術力の向上により、人件費の高騰が起こっているため、コスト削減のメリットは大きくないでしょう。

なお、エンジニア1人あたりにかかる人件費は、月といわれていますが、今後さらに上昇する可能性もあります。ただし、中国では人口増加が続いているため、今後も優秀なエンジニアを多数輩出することは間違いないでしょう。IT人材不足に悩まされる日本とでは大きく状況が異なることを理解しておきましょう。

【2020年の動向】インド

インドは中国と同じくオフショア先進国で、スキルの高い人材を多く抱えています。しかし、こちらもエンジニアの人件費は高騰しており、現在のインドにおけるオフショア開発のコストはエンジニア1人あたり30万円~40万円ほどとされています。

インドはオフショア開発の歴史が長く、そのノウハウも蓄積されているため、コスト削減というよりは、技術力の高さを目的に委託先として選ぶケースが多いようです。

【2020年最新版】オフショア開発の最新動向【オフショア市場編】

 

日本のIT人材不足は深刻な状況ですが、少子高齢化が原因である以上、それを短期間で解決するのは難しいものです。日本のオフショア開発の需要拡大にともない、日本企業をターゲットとするオフショア開発会社が今後も増えていくと予想されます。

市場全体を見る限り、近年はベトナムが特に伸びてきています。前述のとおり、ベトナムでは技術力の高いエンジニアに対して、比較的安い金額で依頼することが可能です。2020年以降も、中国やインドに続くメジャーなオフショア開発国として、さらに市場規模が拡大していくでしょう。

まとめ

オフショア開発がブームになっている背景としては、日本国内のIT人材の不足、ビジネスのグローバル化などが挙げられます。また、ベトナムやフィリピンなどのオフショア新興国では、レベルの高い最先端技術の開発も行なわれるようになりました。

人件費の削減を目標とするならば、コストパフォーマンスに優れているベトナムを選ぶのがおすすめです。はじめてのオフショア開発なら、レリパにお任せください。

レリパは日本企業に特化した、ベトナムのオフショア開発会社です。立命館大学卒の3人のベトナム人が創業した会社で、経験豊かな日本人の開発メンバーも在籍しています。日本語で相談していただくことが可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。