オフショア開発で頻発するコミュニケーション課題と、解決のコツ5選!
オフショア開発は、IT人材の確保やコスト削減ができるなどのメリットが多いため、取り組む企業が増えつつあります。しかし、興味はあっても「語学が堪能なメンバーがいないとやりとりが難しいのではないか」と考え、躊躇する企業も多いでしょう。
確かに、オフショア開発の成功は、コミュニケーション課題を克服できるか否かにかかっているといっても過言ではありません。そこで今回は、オフショア開発で起こりうるコミュニケーション課題の具体例を紹介し、コミュニケーション課題を解決するコツを解説します。
Contents
オフショア開発の最大の課題はコミュニケーション!
オフショア開発の現場において、コミュニケーションが大きな課題となることはめずらしくありません。そして、コミュニケーションがスムーズに行なわれていない状況では、さまざまな問題が起こります。
例えば、プロダクトの説明が正確に伝わらない、といったトラブルがあります。開発メンバーがプロジェクトの目的や内容を正確に理解していなければ、要件通りに実装ができない、納期が守られないなどの問題につながるでしょう。加えて、日本語との微妙なニュアンスの違いが伝わらないといった状況が頻発すると、品質の維持も難しくなります。
また、要件を説明してもなかなか理解してもらえず、会議に通常の2倍近くの時間がかかる、といったこともあるでしょう。お互いに母国語ではない英語を使ってコミュニケーションをとるとなると、誤解が生じることもあります。特に、日本人的な思考のもと「言わなくてもわかるだろう」とやりとりを省略すると、トラブルにつながる可能性が大きいため注意が必要です。
【オフショア開発】コミュニケーションの壁を越えるために必要なスキル
さまざまなコミュニケーションの課題をクリアするには、相応のスキルが必要です。ここでは、オフショア開発でコミュニケーションの問題を解消するために必要なスキルを3つ紹介します。
英語スキル
日本人の英語に対する苦手意識は、いまだ根強いものがあります。発音や文法を意識するあまり、「完璧な英語を話さなければならない」と必要以上にプレッシャーを感じてしまう方も多いはずです。
本来、英語は単なるコミュニケーションツールであるため、完璧に、美しい発音で話す必要はありません。しかし、英語力があまりにも低すぎると、やりとりに誤解が生じるケースもあります。もし英語力に不安があるのであれば、日本人スタッフが在籍している、または日本語のできるスタッフをそろえているオフショア開発会社を選ぶのが無難です。
相互理解と配慮のスキル
国籍が違う者同士が一緒に仕事をする場合、それぞれのビジネス文化や仕事への向き合い方が異なるのは当たり前です。自国の流儀を押し付けるのではなく、対話を通して相互理解ができるように努めましょう。
仕事を進めるうえでコミュニケーションの誤解を生まないよう、お互いが歩み寄り、最大限の配慮をすることが大切です。万が一、「指示が伝わっていないのではないか」と感じた場合には、手間を惜しまず図を使って説明するなどして、相手に正しく伝えるための工夫をしましょう。
忍耐力
信頼関係は一朝一夕で築けるものではありません。特に、国籍や言語、文化が違う者同士が信頼関係を築くのは難しいと感じる人が多いでしょう。加えて、仕事がスムーズに進むようになるまでには、ある程度の時間も必要となります。オフショア開発では、コミュニケーションの壁があることを理解したうえで、辛抱強く働きかけを続ける努力をしていきましょう。
また、一度失敗したからといって、相手とコミュニケーションをとることを諦めてしまってはいけません。オフショア開発を委託したあとも、開発を現場にすべてを丸投げするのではなく、定期的に意見交換の場を設けたり、進捗をチェックしたりする仕組みづくりをするとよいでしょう。
オフショア開発のコミュニケーション課題を解決する5つのコツ
オフショア開発では、コミュニケーションに関する課題を解決できるかどうかが重要です。ここからは、コミュニケーション課題を解決するための5つのコツを紹介します。
日本語学習者が多い国を選ぶ
オフショア開発を行なう場合、まずはどこの国で開発を行なうのかを決めます。このとき、コミュニケーションによる問題を避けるべく、はじめから日本語学習者が多い国を委託先として選ぶという方法があります。
例えば、ベトナムでは日本語学習者が年々増加傾向にあります。国際協力基金が結果となっています。
また、ベトナムでは名門大学や有名大学の卒業生がIT企業に就職するケースが多い、という事実も見 逃せません。このような理由から、ベトナムは日本企業にとって人気のオフショア開発国となっています。
ブリッジSEの言語力・コミュニケーション力をしっかりと見極める
オフショア開発が成功するかどうかは、の能力と手腕にかかっている、といっても過言ではありません。ブリッジSEは自社と海外の現場をつなぐ、橋渡しのような存在です。具体的には、要件のヒアリングやビジネス分析、作業内容の交渉、現場管理などの業務を担当します。
ブリッジSEの仕事は幅広いため、このポジションで活躍を目指す場合には、高い技術力だけでなく、優れたコミュニケーション能力や柔軟性、マネジメントスキル、問題解決スキルなども重要視されます。
また、オフショア開発でブリッジので、人材獲得の際には意識しておくとよいでしょう。
なお、能力の高いブリッジSEを見極める方法については、以下の記事でも詳しく紹介しております。
『ブリッジSE(ブリッジエンジニア)とは?仕事内容と有能な人材の見分け方を解説』
文化、風土、国民性の違いを理解する
そもそも日本と海外では、文化はもちろんのこと、国民性や風土まであらゆる違いがあります。そのため、価値観や仕事に対する取り組み方は、日本人とは根本的に異なるという点をしっかりと理解しておくことが必要です。
例えば、日本の企業では「上司がまだ仕事をしているから、帰宅しづらい……」といった、いわゆる“付き合い残業”の風潮が未だに存在していますが、海外では基本的にそういった文化はありません。
また、日本人は直接的な言及を避け、微妙な言葉の言い回しや相槌によって意思や意図を伝えようとする傾向にありますが、そういった日本流のコミュニケーションは、外国人相手の仕事では通用しません。
日本人相手のビジネスでは起こりえない問題に直面し、最初は戸惑うこともあるでしょう。しかし、お互いの違いを正しく理解して仕事に取り組むと職場環境が良くなるだけでなく、人材の流出も防げます。
日本流のコミュニケーションを期待しない
オフショア開発では日本流のコミュニケーションは通用しません。例えば、「適当にやっておいてね」「細かいところは君に任せるよ」といった指示で、思い通りのものが納品されることはまずないでしょう。「空気を読み、良きに計らう」というのは、日本特有の文化です。あいまいな表現はできるだけ回避し、誤解を避ける必要があります。
複雑な日本語表現などは極力避ける
数多くある言語のなかでも「日本語は特に難しい」と感じる外国人は多いそうです。そのため、相手が母国語を話しているのではないことを常に意識し、できるだけ易しい言葉選びを心がけることが重要です。
例えば、「コスパ」や「コンプラ」など、カタカナの略語は伝わりにくい傾向にあります。加えて、「不可能というわけではない」のように二重否定の表現をしてしまうと、内容が正しく伝わらないことが考えられます。また、「クレーム」や「ブラインドタッチ」などの和製英語は海外では一般的なものではないため、使用を控えるようにしましょう。
まとめ
レリパは、日本企業に特化したベトナムのオフショア開発会社です。レリパの創業者は3人のベトナム人であり、立命館大学を卒業しているという経歴があるため、日本の文化や国民性には理解があります。また、レリパには経験豊富な日本人管理者も在籍しているので、日本語での対応もスムーズにできます。
オフショア開発のコミュニケーション面に不安がある場合には、ぜひレリパへお気軽にご相談ください。